東京地方裁判所 昭和38年(ワ)11104号 判決
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〔判決理由〕訴外中条瀬兵衛の前記貸地の賃料と比較しても前記確定判決によつて定められた昭和三二年六月以降昭和三四年九月三〇日までの賃料一坪一ケ月金二六〇円が著しく低きに失するとは断じ難く、いわんや訴外吉田精一の借地の賃料に比載すると高額であることは明らかであり他に右原告の賃料が近隣の賃料に比較して著しく低きに失するとの証拠はない。したがつて近隣の賃料との比較という点からだけでは原告主張の賃料の適正でないことはもとより、果して増額の必要があるかどうかも疑わしい。しかしながら前記確定判決で本件賃料が増額されて以来原告が増額請求している昭和三七年末までに本件土地附近の地価が上昇していることは公知の事実であるから、賃料もそれに伴つて値上げされるべきものと考える。
蓋し、適正賃料なるものは、当該土地の立地条件、課税標準価格等を勘案して更地価格を定め、底地価格を認定し、底地価格を投資した場合の一般利潤を算定して、それに公租公課および管理費を加えたものを基礎として、更に、近隣土地賃料等を考え合せて決定されるべきものであるから、必らずも近隣土地賃料との比較のみでは決定し得ないのであつて、地価の上昇はその決定の最しの要素となるべきであるからである。 (西山要)